2014-01-01から1年間の記事一覧

一ヶ月前のことを思い出しながら、去年の年の暮れについて。帰国後つとめて平常に戻そうとした生活の中で、これといった事件も無かったが、当たり前のように過ぎた日もたぶん一日もなかったから。とりわけクリスマスに、サンタの役回りでプレゼントを置き、…

旅の終わりに。 十日近くにわたってお世話になった友人宅は、オーナメントの多い家だった。ペナントや皿、スプーンなどが品良く調えられたアメリカ風の室内装飾に倣って、野球の記念ボールや、旅行先の25セント硬貨などが、本棚や壁の上に掛けられている。中…

昨夕の雪は夜半に止み、コンドミニアムの真向かいにある山際から鮮やかな朝日が昇った。薄く残った雪が土の上で固まって、山の地表をラメのように輝かせている。KentuckyはChicagoに比べれば寒さはかなりマシだったけど、更に南にあるこの土地は標高のせいも…

アメリカは今日からholiday seasonのスタート。友人も週末まで休みを取ってくれて、Lexingtonを早朝に出発、フリーウェイを車に乗ること4時間、テネシー州のGreat Smoky Mountainsへ。Thanksgiving当日で、麓のGatlinburgはどこも飲食店が閉まっている。Walm…

この三日間、友人は出勤。社会人になってから、仕事の話になると「オレなんて流れに乗ってるだけ」と嘯いてくせにその実、相当頑張っているようだ。iPhoneのアプリで睡眠時間を見せて貰ったら、週の平均で4時間50分。学生時代にお母さんが亡くなったときも、…

アメリカに来てから昨日まで続いていた好天が途切れ、朝から厚い雲が覆う。やがて降り出した雨の中、昨日に続いて競馬の巡礼。目指すはKentucky Horse Park。Lexingtonはサラブレッドの生産で知られ、「地球の歩き方」によると全米で行われるレースの勝ち馬…

今日は朝からH君が通っている補習校の発表会に同行した。H君は二年前にこっちへ来て、平日は現地の中学校に通っている(十一才だけど、Kentuckyは5-3-4年制らしい)が、永住を決めた極少数の家族を除けば、父親の出張期間終了と同時に日本の学校へ戻らなければ…

結局昨日のピザは半分しか食べられなかった。Sサイズを三人で食べて半分だよ。じゃあMはどんな人のためのためのサイズかというと、高校生の子どもでもいそうな白人の夫婦、Lはロシア語訛りの四人か五人くらいの白人たち。 この日も夜明け前に目覚めて、朝ご…

みんなそろって2時に目が覚めた。寝たのは夕方の4時頃だから、旅の疲れを癒すには十分な睡眠。昨日のうちに、心配だった携帯の電波がつながることも確かめ、友人とも連絡がとれていたから(「ようこそアメリカへ!」というメールはてっきりLexingtonからと思…

30年ぶりにアメリカへ旅立つ前の夜、ベランダのコンクリートに舞い降りた白地に黒の文様の羽根をもった蝶は、翌朝、場所をわずかに移動して、寒さの中で倒れていた。スーツケースをもってエレベーターを降りると、玄関の前に親父が待機していて、駅まで荷物…

SNSで友達申請をしようかどうかを迷ったとき、断られたらムカつくような奴にはやめておけ、という自分なりのルールがある。片思いを維持できるくらい好きな相手じゃないなら、わざわざ連絡をとって今の人間関係を転位させる必要もない。それぞれに築いてきた…

明石家さんまの、死ぬときにワクワクしていたい、って言葉はいいなぁ。

英検の2次試験を受けてきた。今思い出してみると、aを抜かしてたり、同じ言葉を重複して使ってしまったりしたところもあったけれど、関係代名詞や過去分詞をたっぷり使った、自分好みの息の長い文章をいくつか言えたから満足。1次試験後に、生まれて初めて通…

今日、息子が9+9の計算の仕方を教えてくれた。 10+9が、 □□□□□□□□□□■■■■■■■■■ で、19となるところ、9は10より1つだけ「凹んでる」から、 □□□□□□□□□■■■■■■■■■ で、18なのだそうだ。 数を覚えたての三才の頃、 ・「21が『にじゅういち」だから、11は『いちじゅ…

今日妻に褒められることがあって、「IQちゃんと使ったね(^^)」と言われたんだが、どうもバカにされているような気がしてならない。

人から褒められたときは、なるべく素直に受け取った方がいい。 人が褒められて一番気持ち良くなるのは、実は自分がコンプレックスをもっているところで、自分が「自然に」手に入れてしまっている能力や性格について褒められても、なかなか素直には受けとめら…

この番組は妻も面白がって見ていた。僕が一人で見ようとすると抗議されるので、どこがそんなに面白いのかと聞くと「痛快だから」という返答。 80年代当時、個性的なファッションを競うDCブランドブームが陸の僻地、和歌山にも迫っていた。流行に敏感だった妹…

もう放送は終わってしまったけど、『白熱教室』の時間帯にやっていた『ニッポン戦後サブカルチャー史』が実に面白かった。と言っても全ての回を見れたわけではなくて、僕が見始めたのは70年代を扱った第4回から。サブカルチャーと聞くとどうしてもアニメ、ア…

会場だった中高時代の母校の様子は随分変わっていた。校門の手前にあった野球場が削られて、そこに新しく建てられた礼拝堂と校舎がせり出し、野球場とサッカー場は奥のスペースにまとまっている。レンガ造りの礼拝堂も校舎も前より圧倒的に綺麗になって、英…

SVL12000の学習はとても有意義だったけど、「硫酸」とか「オタク」とか、アメリカの高校生なら誰でも知っているのに、日本で英字新聞やペーパーバックを読んでいるだけではあまりお目にかかれないような言葉をカバーするにはまだ足りなかった。何か良い教材…

大きな船を見るために波止場へ行った。 見上げたお前の目にそれがどう映っているか分からないから、 後ろ姿だけ写真をとった。波止場の袂ではドレスとタキシードを着て踊る若者たち。 「お父さんが得意だった社交ダンス」と、 息子の手を取り走りだす彼女の…

親が諍いをしていると、子ども部屋のおもちゃの音が止む。一呼吸二呼吸の間をおいて、足音がのしのしと廊下を上ってくる。小さな影は男親の足元で止まり、両手を伸ばして腰のスボンの生地を掴む、それが仇敵の胸倉であるかのように。そして狙いが定まったら…

秋風が立つ、薄曇りの三連休。 ささやかな敬老の会と、遠来の友も交えた友人宅でのバーベキュー。 人に会うことは、その人の荷物を心に模して背負ってみることではないだろうか、言葉には出さずとも。 お前の荷物は腰に来るな。背中に角が当たっててちょっと…

五ヶ月かけて読み進めてきた数学の本を八月の後半に終えてから、新味を求めて英単語を覚えていた。『究極の英単語 SVL Vol.4』という単語集で、レベルとしては(恐らくは語彙の範囲が定まっている)TOEICや英字新聞の報道記事には余り出てこないが、オピニオン…

会社時代の友人達を家に招いての飲み会。なるべく奥さんたちに負担をかけないよう食べ物は出来合いのもので、というコンセプトで友人宅を巡っていて、うちが三軒目。食事はピザを注文し、食器も妻の手を煩わせないように自分で並べていたのだが、みんなが帰…

前日の猛練習で気を大きくして水泳教室に駆け出して行った息子。ところが…。 いささか粗野に見えた先生は、さすがのプロであり、三日目に参加した子どもたちはもう全員顔をつけて泳げるようになっていたのだった。息子はまだ三秒水につけるのがやっと。小さ…

この日、息子と妻は朝から電車に乗って隣の市のプールへ出かけた。と言っても、遊びのためではなく、もっぱら水泳の練習のためである。しかもこの日は、幼稚園で開かれていた四日間の水泳教室の三日目で、それを欠席してわざわざ片道一時間半のプールへと遠…

遠出こそ少なかったものの、毎日近くの田んぼでトンボやオタマジャクシ、ドジョウを捕まえたり、公園でサッカーをしたり、おばあちゃんと銭湯の露天風呂に入ったりで、大満喫して過ごした和歌山滞在の最終日。まだ僕が起きる前の朝食時にこんな一コマがあっ…

家の裏庭の石段の上で迎え火を焚く。僕にとって迎え火に居合わせるのはこれで二回目。十二年前に書いたそのときの日記が残っていた。 2002年8月16日おばあさんの初盆を迎えに、12日和歌山へ。仏壇のある1階の和室からはベッドが除かれて、その代わりに新しい…

十時までぐうすか眠っていたところ、妻からゴーサインが出たのを機に布団に飛び込んできた息子が、それまで和歌山であったことを教えてくれる。それに相槌を打ちながらノロノロ起きるという幸福な目覚め。十五日までの滞在中、お義母さんが休みをとれたのは…