前日の猛練習で気を大きくして水泳教室に駆け出して行った息子。ところが…。
いささか粗野に見えた先生は、さすがのプロであり、三日目に参加した子どもたちはもう全員顔をつけて泳げるようになっていたのだった。息子はまだ三秒水につけるのがやっと。小さなプールの端から端まで泳ぎ切る同級生たち。息子はガ〜〜〜ン。
それでもヘソを曲げることなくマンツーでの練習に取り組んで、最後は手を伸ばして水に飛び込み、先生に引き上げて貰うところまで行ったんだって。たかが一秒、されど気迫のこもった渾身の一秒。それが出来たとき、一番進みの早かった親友がとなりに立って拍手をしてくれたって。恐ろしい早さで、自前の強さと優しさを身につけていく子どもたち。この日の親友の優しさが、時が経ってもお互いの心の中に残っていきますように。