2013-01-01から1年間の記事一覧

大晦日の日。 朝からみんなで大掃除を頑張って、夕方の割と早い時間に、近所の蕎麦屋さんに注文していたソバが届いた。まだ後片付けが残っていたし、風呂にも入っていなかったが、ちょうどいい温度に温められていたのでそのままいただくことになった。箸をと…

日記もこれだけ放っておくと、その日に何があったのか忘れてしまう。 この日は前の日に壊れてしまった炊飯器の代わりの炊飯器を三人で買いに行ったような。それで初めての米を炊いて湯気が上がったときに、息子が「ワー、いい匂い。なんか泣きそう」と不思議…

大門駅から増上寺の山門に突き当たる道の途中、ビルの影が切れたところで息子が東京タワーを見つけた。「東京タワーから続いてく道(ぼくらが旅に出る理由)」のゆるい坂道を上ると、タワーはみるみる近づいて姿を変える。植えられた木立の一本一本を過ぎる毎…

おそらくは自分の心の弱さから僕の中に懐胎しようとしていた、子どもとの接し方についての考え方が正しいのかどうかを確かめるために、町の大書店に入った。医師国家試験の教科書、精神医学、発達心理学等のコーナーをゆっくりと巡り、障害児教育という書棚…

朝、遅めに起きると空は快晴。午後から少し雲が出る。僕が寝ている間に、息子の友達のお母さんがプレゼントを届けてくれたそうだ。 こんな日和の良いめでたい日に、苦渋の表情を浮かべながら不機嫌そうに歩いている人を買い物先で見かけ、それから少し調子が…

明日が有馬だっつうんで、いつの間にか隣に来て、じゃがりこ食べながらさりげなく競馬雑誌見てる。 この人やさしい。

今度はノロウィルスだった。月曜の明け方に異変を感じてから、さてどちらを先に便器につけるべきかというトイレにおけるハムレット的問いが噴出し、気付けば息子も口に含んだ水分を刹那に吹き上げる曲芸を披露。二人合わせて云わば25ラン、25リバウンドとい…

9月に患った息子の股関節炎が再発してしまった。先週の土曜日、お遊戯会から帰ってくると、足の痛みを訴え足を引きずるようになり、夜には一歩も歩けず椅子にも座れない様子。日曜日は寝返りも打たずにまる一日病臥して回復を期したものの間に合わず、先月か…

そういえば、妻と付き合い始めてけっこう早い頃に行ったカラオケで「お経みたい」と言われたことがある。 遠く過ぎ去った日々。 … そして今ここにある日々は、箱根山と溶け合う太陽を見つけた息子が、廊下を走って僕を呼びに来てくれる。 こんなことはそう長…

俺の苦労など(妻以外)誰も分かっちゃいない、と不貞腐れるとき、自分だって友人一人一人の苦労を何も分かっちゃいないと思う。それは言葉だけでは決して届かないものだ。ずっとそばにいて、同じ苦労を共にしてきた者でなくては。 多くの場合、人は他人の苦労…

禁煙を始めて半月経過。心の中の餓鬼を刺激しないように努めて淡々と過ごす。仕事のクオリティーが極端に落ちることもなく、首尾は今のところ上々である。 煙草を吸わないと、財布の中からほとんど金が減らないことに気づいた。この二週間で記憶にある出費は…

スーパーの生鮮食品売り場に置かれているカセットデッキから流れてくる販促用の歌。同年代の子ども達と比べても精神年齢の低い息子は、その前を通ると声を張り上げてノリノリで歌う。魚売り場の前では「ヘーイ、さかな、さかな〜♪」、肉売り場の前では「お肉…

いつだったか『やればやれるぜ 全員集合!!』も見た。 テレビの視聴時間が制限されていた小学校の時、襖の隙間からおばあちゃんが見ていたドリフをこっそり盗み見していたんだって。その中の、正月にも雑煮にありつけない気の毒な志村けんが、ゴムを口に咥…

『ラストサムライ』を見た。 「謙さんの演技、スゴかったね。最後の絶命のシーン、"Perfect!"って言いながら親指立ててたでしょ?」 「えっ、ウソ!?」って言いながら、人が本気でモノを思い出す時の、視線を左に向ける仕草をして必死に絵を描こうとする妻。…

ベトナム語であるが、五年前から、この言葉を話すの人々と何十人も出会ってきたのに、自分もという気になれず、彼らに日本語を教えるときも英語の分かる人には英語で、分からない人には既知の日本語を敷衍してという調子でずっとすませてきたところ、やっと…

Trước bốn mươi ngày, tôi bắt đầu học mọt tiếng ngoài mà các bạn bây giò xem. Hôm nay rất vui được đọc xong mọt quyển sách giáo khoa. Tôi là thầy giáo ở trường tiếng Nhật gần nhả tôi trước năm năm. Mặc dù tôi …

ケツにできたおできがでかくなったので病院へ行った。パンツを下ろして現れたブツを見た医者は「切開だね」と言い、ベッドにうつ伏せに寝かせた。そして、衣服が擦れるだけでとび上がるほどの痛みを発していた患部に向かって、麻酔と称して20発近く注射針を…

ちょっとした後日譚。 前日にお弁当の準備を手伝ってくれた妻のお母さんは、妻にこう言ったそうだ。「ありがとう、手伝わせてくれて。これで和歌山に戻って、『娘にこき使われてよォ』って言えるわ。おばあちゃんになったらな、そういうことが嬉しいんよ」。…

夕焼けのきれいな一週間だった。月はちょうど半月を跨ぎ、日が没すると同時に日照面を真西に向けて南中した。 「お月さまは燃えるの?」 「でもなんで夜でも明るいの?」 息子との会話を楽しみながら夕暮れにベランダに立つ毎日を送るうち、運動会からあっと…

先週の連休、白菊会に献体していた祖母の遺骨が戻ってきた。京都大学で行われた遺骨返還式に出席してきた両親の話を聞きがてら実家に行くと、文部科学大臣からの感謝状が立派な筒に入って祖母の遺影の近くに置かれていた。 酒に酔った父は、祖母への感謝の気…

息子とお留守番をしながら、『ドキュメント72時間「飛べ!イプシロン」』を見る。先月の打上げ延期の時、人の不幸は蜜の味などと書いて笑っていたけど、飛ばなかったロケットを見に集まった人々それぞれの横顔の紹介を見ていたら、笑おうと思っていた番組…

今週、友人との会話で議題に上った認知療法と自動思考についての備忘録。 人間の精神を、感情と理性に二分して考えるモデルにはいくつかの弊害がある。その一つは、思い通りにならない心理現象を感情に限定することによって、理性(思考)だけは自分でコントロ…

台風が夏の雲を掃いていってから、富士山を拝める日が続いている。一人で風呂に浸かっていると、ベランダで夕焼けの富士の美しさを発見した息子が教えに来てくれる。そのままスッポコポンでベランダに出ろという無体な要求を何とか断り、出ると、没した太陽…

日が沈んでから横浜の仕事場に父親が顔を出した。部屋を一通り説明し、ベランダから半月を見た後、駅のレストランへ行き、事務所の開設を祝う食事とお酒をふるまってもらう。金曜の夜の賑わい。 自分にとって辛いと思える出来事があり(whoever has not?)、親…

禁煙を始めて二日目に『風立ちぬ』を見に行くのは試練だった。作中で描かれる喫煙シーンに圧力団体から苦言が呈され、それに対して、時代状況の正確な描写に過ぎないという反発が起こるという騒動があり、見る前は僕も概ね後者と同じ意見だったが、見終わっ…

数日前にニュースの映像を見て以来、息子の興味はタワーからロケットに移っていた。電車、タワーと来て、男性らしくそそり立つタワーの外観をもち新幹線より速いスピードで飛ぶロケットという飛翔体に一気に魅せられてしまったのだろう。夏休み明けの初めて…

息子に説明する言葉を探すために、天国について少しばかり考えている。 そこは確かに禁煙のイメージがあるが、はたして。

帰省している一才になる甥っ子を見に実家へ行く。大人の言うことの85%は理解できるようになっていたあの頃。自分の足で立ち、世界に等身大の目線を向けながら逍遥していく気持ちの全てを受け止めて、妻は、世界がさらにもう一段だけ面白く感じられるように…

猛暑が落ち着くと同時に、夏休みの始めはゆったりとしていた時の流れがここに来て速まってくるという口惜しいような感覚。 雷雨、横浜マリンタワー、同期との飲み会、深呼吸の必要。 雲の晴れた今日は三ヶ月ぶりに町から富士山が見えた。 「お久しぶりです」…

暑さなお厳しく。テレビのニュースでは、県内の古座川町で前日36.7度を記録したとあった。 そんな中、今日は市内の和歌山城へ。直射日光は言わずもがな、城内の砂利、石垣、白い城壁からの照り返しで、天守閣までの道のりは昔の城攻めもかくやという厳しさ。…