9月に患った息子の股関節炎が再発してしまった。先週の土曜日、お遊戯会から帰ってくると、足の痛みを訴え足を引きずるようになり、夜には一歩も歩けず椅子にも座れない様子。日曜日は寝返りも打たずにまる一日病臥して回復を期したものの間に合わず、先月からカレンダーまで作ってその日を心待ちにしていた本日の東京タワー行きはお流れになってしまった。しかしありがたいことに今日になって痛みは少しずつ収まってきたようで、晩御飯はうちらと一緒に食卓でとることができた。痛みの状態は、本人がまだ上手く表現する言葉を持たないのでこちらとしては想像するしかないのだが、起きている間は不自由な姿勢のまま本人なりに楽しみを見つけて過ごしてはいても、夜中、眠りについて理性の覚醒レベルが下がった後、寝返りを打とうとして悲鳴のような泣き声を上げるのを聞くと、日中は小さい体でこの痛みを受け止めていたのかとの思いに、胸を貫かれるものがあった。おまけに妻が、息子の気落ちを慮って、母ちゃんも幼稚園の頃交通事故にあって遠足に行けなくておばあちゃんの部屋の障子にもたれて泣いていたことがあった、色々あって大きくなっていくんだね、という話をすると、「でも母ちゃんも○君と和歌山城に行けてよかったでしょ?」と言って、あの子はこっちのことなんかを気遣ってくれたと、彼女は涙ぐんでいた。子どもの可能性は無限大だ、という言い方、あれは子どもが望んで努力さえすれば将来どんなことでも成し遂げられるという意味で使われるなら嘘だけど、痛みや病といった受け入れなければ仕方がない「事実」に対して、自分でどんな「意味」を与えるのか、どんな「物語」を抱いて自ら立ち上がっていくのかという可能性に対して子どもは完全に開かれている、そういう意味では本当だと、そんなことを考えさせられたりもした。
あと二日は自宅で大事を取って、本人もトライアングルをもって参加することを楽しみにしている幼稚園のクリスマスコンサート(12日)に間に合うかどうか。癖になってしまうと難儀なので、症状が完治することを最優先に。願わくばなるべく本人を苦しめない形で傷が癒されていきますように。