2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

今日会った旧友は、僕らが十代で、今よりずっとタフだった頃のことを思い出させてくれた。甘いことなど一切言わない友人で、僕が「やっぱり友達と話すのはいいなぁ」などと口にしようものなら、「お前大丈夫か?」と不審気な視線を送ってくるようなやつだけ…

妻の百万ある長所の一つは、人からのプレゼントが誰にいつ貰ったものかをきちんと覚えていることだ。棚に並んださまざまな置物、部屋に散らばるおもちゃや絵本、開けた引出しからのぞく衣服の山。こんな物たちに囲まれた日常の平凡な光景が、彼女にはきっと…

戸籍謄本を取り寄せようと、本籍地にある市役所に電話したら、対応に出た人の話し方が今年亡くなった祖母にそっくりだった。 おばあちゃんの声は二度と聞けないけど、おばあちゃんが照れてメッセージを残さずに切った留守電の記録は、今でも電話機から消せな…

息子と迎える三回目のクリスマス。昨日は実家で家族みんなが集まってのパーティーがあった。もう赤ちゃんじゃないんだから、お前のかわいいエピソードを大人たちの間でおしゃべりするだけじゃなくて、みんなで話していることを、お前にも同じように話しかけ…

夕方三人で散歩に出たときから、空は雲一つない快晴だった。日が沈むと同時に東の空に上ってきた月は、買い物をして歩く僕らを追いかけるようにあらゆる建物や木立の陰から現れ、僕らの視界に入ってきた。それほど今日の月は明るく、よく目立った。「今日は…