2014-01-01から1年間の記事一覧

和歌山での夏休みは最高だった、と書いても何ら正確性を損なわないのだけど、もう少し記憶に残る書き方でお盆休みのことを。 一足先の七日に妻と息子が里帰りして、残った僕はやりかけの仕事と勉強、カブトとクワガタへの餌やりなどをして過ごした。少し寂し…

いつの間にか梅雨が明けて、幼稚園が夏休みに入った辺りから急激に蝉の音が騒がしくなった。サラリーマンの頃からそうだったが、この時期になると学生時代までの夏の過ごし方の記憶が呼びさまされて、仕事のルーティンは何も変わらないのにいい年をして気持…

あなたが外に向かって、親はかくあらねばならないと言うときは、必ず自分がそう愛してほしかった、そう愛してほしいと思っているとき。 ―でもそうだとして、親の愛を心の片隅ででも期待しないなんて人間に可能なのだろうか。 それはできないけど、前に言った…

ああ楽しかった。六年近く通っているボランティアの仲間との飲み会があって、しかし彼らと向かい合って酒を飲むのはこれが初めてだった。だからいつもは巧みなトークとフリで皆の会話を気持ちよく廻しているボス(同年代の、僕の尊敬する人物)の、タガが外れ…

僕が数学で面白いと思うのは、自分の理解に不十分なところがあったり、先入観や誤ったイメージをもっていたりすると、文字通り一行も読み進めるなくなることがあるところだ。 今読んでいる代数の本に、 系: p を素数とし、ζ を 1 の原始 p 乗根とするとき、p…

悲しい知らせがあって、三鷹の斎場に。部屋の隅で、いつまでもご遺族と語らっていた故人の親友。目を腫らし、手は触れなくてもご遺族の心を優しく抱きしめているようで。 人間は愚かだから、手に余る自分の愚かさは、隠れたところで勝手に自分で許してあげれ…

周りの人からよく「怒ることあるの?」と言われる妻だけど、人間だから怒ることはある。でも僕もそして息子も、妻に怒られるときはちっとも傷つかない。ハメを外したくなったときの自分たちの心の動きを、無言のうちに分かってくれていると、妻に対して安心…

かなり前にやったDual N-backでN=10、100%のスコアが出たが、今度はDual Combination N-back。 ・アルファベットの文字が、一つずつランダムに表示されては消える(視覚刺激) ・同じタイミングで、上とは独立のアルファベットが一つずつ発音される(音声刺激) …

窓の外のベランダの手すりから鳥の趾で引っ掻いたような金属質が音が響いた、と思ったら、事務所の部屋が急に暗くなって雨が降り出した。ベランダのコンクリートは大きな雨粒の打つ斑紋であっという間に黒くなって、スピーカーから流れていた平均律クラヴィ…

朝から家族でサッカー観戦。考えてみれば四才の子どもには、日本人の多くが日本代表を応援する、という慣例さえまだ馴染みのないものなんだよね。初めは「ネイマールがいるからブラジルの方が日本より全然強い」などと鼻につく自説を披露していたのに、うち…

日本戦の前夜。町田のスポーツバーのような店で色々なビールを飲む。そこで連れが「サラリーマンのas-isの世界で生きていると、ニートの人と話してはっとさせられることが多い。ニートの人にしか見えてないことだってあると思う」というようなことを言った。…

初めてワールドカップのことを知ったのは1986年、十一才の時だったと思う。当時、洗濯機の上に毎朝、親父が便所で読みかけた新聞が、いつも読みかけのスポーツ欄を表にして置かれていて、そこに連日踊る『フランス四強』等の見出しや、今から振り返るとプラ…

新しいバイクを買った。買った二日後に両親を交互に後ろに乗せて町を走った。七十近い老人が1000ccのストリートファイターの後席で悲鳴を上げるから、通行人は振り返り、交番の警官も異様な法規走行をドン引きしながら見届けるしかない。流れ去る風景。風の…

先週の金曜日だったが、横浜で友人と会った。賑やかな週末の人波に押されるようにして入った西口のおでん屋。そこで、帰京してから随分長い間連絡してこなかったじゃないか、と文句をつける僕に対して友人が言うには、その間に彼の親父さんが亡くなったらし…

お留守番。 父ちゃんを倒すための武器を、父ちゃんに身を寄せながら工作する可愛いヤツ。

普段家事はほとんどしないのだが、妻と息子が幼稚園の親子遠足で遠出をした日、珍しく洗濯と洗い物、風呂の掃除をして待っていた。帰ってきた妻はいたく喜んでいた。 次の日の土曜日、仕事部屋にいると、洗面所の方からガタゴトとうるさい音が聞こえてくる。…

二十年前のこの日に妻と付き合い始めた。このシャガールの絵は六年後の結婚時に、僕の気持ちを読み取ったうちの家族が贈ってくれたもの。 Thanks for 20 years. Being with me, letting me be myself. I thank you for being born, being yourself along the…

優しい人はみな傷ついてきた人なんだ。そうでない人から優しさを奪ったのも、同じ傷なのだけど。 相模川の河原でバーベキュー大会。

夕方神戸に着き、ポートタワーの真下に荷物を置いて待っていた僕を、友人は車で夜景の見える展望台まで連れて行ってくれた。摩耶山。星を掬うと書いて掬星台という。日が沈んで辺りが暗くなり、薄紫色の帳が下りると、空に星が現れるよりも先に、文字通り眼…

妻の母方の祖母の十三回忌、そして妻の母の妹の五十回忌(今年七十になる妻の母より二才年下で、二十で亡くなったから実際は満四十八年)のために寺に集まったのは九人。妻の母、妻の母の下の妹、その夫、妻と僕と息子、妻の妹と夫と息子。祖母のお通夜とお葬…

朝六時に車でお母さんの職場まで一緒に行き、今日一日の移動手段を確保するために一人で車に乗って帰ってきた。晴れてはいないが遠くの山が青く見え、空気がヒンヤリとして心地よい。何年か前までは、この年になるまで仕事をしていることを情けないと思うこ…

新幹線の中で手にとった雑誌の今どきの就活に関する記事が面白くて、つい富士山を見逃してしまった。リクナビという大手の就職サイトでは、50だか100だかの会社に一括エントリーするためのボタンが用意されていて、学生が登録すると、あの手この手でこのボタ…

そんなわけで、九才になった甥は段取りをつけてあれこれと息子の相手をしてくれているみたい。あばあちゃんの家に遊びに来てくれる最初の朝、洗面所の鏡の前に立って「お兄ちゃんやから髪型セットせなな」と言って髪をとかしていたんだって(妻の妹さん談)。…

妻と息子が和歌山へ行ってから、家の近くの桜が一気に満開に近づいた。April is the cruellest monthではないが(やめよう、気分だけでこういう詩句を弄んでいたら罰が当たって本当に捉まっちゃうかも)、春の生命力に感電して、脳の奥のおかしなものまで呼び…

妻と息子だけが先に和歌山に帰ることは前から言ってあって、息子も帰省の日が来るのを楽しみにしていたのだけど、僕が前日になってぽろっと「淋しくなるなぁ」と言ってしまってからややムードが変わり、ことあるごとに妻の目を忍んで僕の部屋に入って来ては…

スカイツリー、 浅草寺の人形焼、 うんこビル。

妹と甥っこが実家に帰っているので誘って県央の遊戯施設に行った。うん、まあ幸せである。

春休み。終業式の次の日に、息子は年中さんから着るようになる制服をもらってきた。丈の明らかに長い裾を折って折って無理やり試着すると、一年前の入園式で見た年中さんの姿になる。その時にようやく、年中になる子を幼稚園に送っていた去年の親たちの気持…

友人が誘ってくれたので、珍しく大学の同窓会に顔を出した。顔を出したといっても、場所ははるか大阪。自分の対外的な間口の狭さ、関西弁での挫折もあって、大学時代に仲良くなったのは関東、それも神奈川出身の人間が多かったが、僕以外はみんなその後もた…

幼稚園のマラソン大会があった。年明けに続けてあった大雪で、マラソン大会は二回順延していたが、この日は前の日から降っていた雨が朝に上がって、やっと実施の運びとなった。住宅地を走る園児と車の見張り役として募集されていたボランティアをかねて登園…