朝六時に車でお母さんの職場まで一緒に行き、今日一日の移動手段を確保するために一人で車に乗って帰ってきた。晴れてはいないが遠くの山が青く見え、空気がヒンヤリとして心地よい。何年か前までは、この年になるまで仕事をしていることを情けないと思うこともあったけど、七十になると周りの同じような年齢の人からも羨ましがられると話しておられた。
秋葉山というところに、2015年に行われる和歌山国体に合わせて大きなプールができていて、甥がそこで泳ぐというので、息子が起きてからうちらも水着をもって三人で出かけた。国体選手だった母親を継いで、彼も選手コースで頑張っているらしい。その国体選手にクロールと平泳ぎのフォームを見てもらう。平泳ぎの脚を曲げるタイミングが早すぎるけど、あとは割ときれいとのこと。彼女に見本を見せてもらうと、もぐら叩きのように上体を起こす異次元の泳ぎ。昔の大きな大会で、お母さんが何枚も写真を撮ったが、現像してみると全部本人は水中で泡しか写っていなかったという話を思い出した。
午後は実家の前でみんなでわいわいバドミントン大会。夕方からバッティングセンター。
晩御飯はお母さんがエビやイカ、イモの天ぷらを作ってくれる。そのまま銭湯へ。身長が120cmを超えて女湯に入れなくなった甥と、星など見ながら長々と湯につかる。「早くお父さんに会いたいわぁ。はーちゃんってお父さんに会ったことあるん?」という彼に、その気になって四人で桃電をやった話をしてあげた。僕はあの日の夕闇の色まで覚えているが、彼にとっては白黒の幻灯のような話なのだろうな。