悲しい知らせがあって、三鷹の斎場に。部屋の隅で、いつまでもご遺族と語らっていた故人の親友。目を腫らし、手は触れなくてもご遺族の心を優しく抱きしめているようで。
人間は愚かだから、手に余る自分の愚かさは、隠れたところで勝手に自分で許してあげればいい。そうしないと誰も身を支えきれないから。それでも人を蔑むことだけは、なるべく、これもなるべくしかできないのが人間の愚かさなのだけど、自分から取り上げてしまいたい。人を蔑まないだけで、よほど人間は高貴になる。