全休をとって実家の車を借り、三人で横浜デート。神奈川県民として東京スカイツリー開業に対抗し、ランドマークタワーの展望台に上る。妻とつきあい始めた年の夏に行って以来だから18年ぶり。昔は何重にも折りかさなった列の最後尾に並んでやっとエレベーターに乗れたものだが、今や僕らがチケット売り場に入るとスタッフ総出で出迎え、無人のエレベーターまで案内してくれるという隔世っぷり。東京スカイツリーはさぞかし混雑しているのだろうな、と思うとそれだけで勝ち組に回ったような気分になる。房総半島や三浦半島などの遠景を堪能する僕ら大人に対して、息子は眼下のコマのようなアトラクションが描く円弧や、ジェットコースターの軌跡を無心に追っている。大人が提案して出かけて行く先々で、彼なりの楽しみを見つけ、三人の時を満喫してくれるのは、ずっと前から彼が続けてくれている家族としての共生の姿勢で、このおかげで僕らがどれだけ余裕をもって親としての役割を果たさせてもらっているか分からない。コスモワールドに移動して、ジェットコースターの動きをさまざまな角度から検証した後、ワールドポーターズのカリフォルニア料理屋で食事。帰りの車の中で、今日見たもの、あったことの話を三人でするのがたまらなく楽しい。最良の覚せい剤をもってしても今日みたいな幸福感は得られないのだろうな。