晩ご飯の後にいつも息子と見ている『鉄道・絶景の旅』という番組のオープニングで『主人公』という曲が流れる度に、震災前のことを思ったり、この曲を十年後に聞いたら今過ごしている毎日を思い出して涙が止まらなくなるんだろうななどと想像して、(もちろんこの曲の作者がさだまさしだということは百も承知で)いつも泣きそうになっていたんだけど、今日妻が、いかにもぶっきら棒な調子で、しかもこの曲が流れ始めたか始めないかのタイミングで「泣きそう?泣きそう?」と聞いてきて、そんな言い方をされてみると、泣きそうになるどころか、この曲のどこが悲しいのかさえ分からなくなってしまって、人の感傷なんて宛てにならないもんだなと思ったという話。