息子の同級生のお宅に家族三人でお邪魔したら、ママが汗タラタラになりながらもこの曲をエレクトーンで見事に演奏してくれた。

初めて目にする楽器を前にして、僕も夢中になって両手両足をジタバタと動かして『いとしのエリー』や『ドーナツショップ』を弾いたりした。我が家にも何度も遊びに来てくれたこのママも四月から元の職場へ戻っていく。こういう楽しい出来事があったり、ボランティア先でみんなとおしゃべりをしたりしながら、被災地から離れたここにも懸命に生きるべき生があることを僕も少しずつ思い出している。現実から目を背けず、できることから少しずつ。芽吹き始めた桜に目をやる余裕をもちながら。