日が落ちて冷たくなった歩道の上を走った。先頭が僕、真ん中が息子、一番後ろに妻。週末にある親子マラソンで、息子と一緒に走る予定の僕が足を引っ張らないように練習しておく、という名目。あっちこっちに興味が飛んでせわしなくリズムを変える足音に耳を傾けながら、妻の目にはどんな姿が映ってるんだろうと想像して走る。合図とともに最後の直線だけ列を崩してラストスパート。両親を置き去りにした少年の誇らしげな優越感。
そういう名目でやったことだから、こういうジョギングもこれで最後かもしれない。そう思うと靴音の木霊は胸の奥深いところに沈んでいく。