久しぶりに相対比較の枠を超える強さをもった馬が現れた予感がある。脚質こそ違え今年の金鯱賞は98年の同レースのと同じように、選ばれた馬だけがもつ異形的なパワーが初めて全開になったレースだった。その挑戦を受けて立つのが、相対比較の枠の中で統率の役を負ってきた五才牝馬という構図もどこか98年宝塚記念前の雰囲気を思わせる。13年前の五才牝馬が、当時の強力な牡馬陣との戦いの中で相対化されていた強さを、全面的に注ぎ込んで生みだした子を大舞台に送り、改めて自身が秘めていた怪物的素質を世に問うという物語。長く見てきた者だけが味わえるそんな歴史の綾に期待を込めつつルーラーシップ単勝に10万。