もうほとんど改善しようのないところまで煮詰まってきたレッド指数だが、ペースファクターの関数形を芝とダートそれぞれで微調整した。新指数で、現2才の注目馬を概観してみる。
[関東]
ショウナンタキオン 52 82
ジャリスコライト 66 75
マイネルスケルツィ 63
オンファイア 41 64

[関西]
マルカシェンク 65 67
アドマイヤムーン 69 71 76
フサイチリシャール 59 57 85

今年は現時点での関東勢の層が厚く、去年のディープ級のお化け馬はいないにせよ、血統的にもバリエーションに富んだ面々が揃ってなかなか楽しめそう。
ショウナンタキオンの新潟2才ステークスの82は、後に計5頭の重賞勝ち馬を出した去年(80)よりもハイレベルなもの。血統もアグネスタキオン×トニービンの5代アウトクロスで早熟ではないし、広い馬場での切れ味勝負で長く活躍できそう。この馬の今後の活躍で、94年のサンデーサイレンス初年度の時に近い旋風を巻き起こしているアグネスタキオン産駒の長所と短所が次第に明るみに出てくるだろう。
ジャリスコライトは、GI6勝のアグネスデジタルの半弟。初戦では、『朝日杯まで負ける気がしない』と、岡田総帥の期待を背負い込んでいたマイネルスケルツィの先行抜け出しをあっさり捉え、2戦目のいちょうSでは、後藤のニシノイツマデモに外から出し抜かれ更に前もカットされる不利を、正味100m強の脚であっさり逆転して見せた。マウンテンストーンに前に入られて行き場がなくなりながら残り50mで出口を見つけて差し切った95年のエアグルーヴいちょうSを思い出させる、インパクトのある勝ちっぷりだった。父がファンタスティックライトに変わって、アグネスデジタルの切れに芯の強さが加わったような感じがあり、鞍上ともども今後どれだけ成長していけるかかなり楽しみ。
マイネルスケルツィは個人的に期待のグラスワンダー産駒。デビュー前の調教でコスモバルクと併せて対等に渡り合い、岡田さんからは上記の発言のほか「ダービーまで大丈夫」との発言まで引き出してかなりの前評判だったけど、初戦はジャリスコに完敗だったし、その後予定していた未勝利戦がオンファイアと重なると一週遅らせて対戦を避けるなど、未勝利ながら次第に雲行きに?マークが点滅中。とりあえず今週の2戦目に注目だが、Hail to Reason(4×5)とNashua(5×5)の他、Northen Dancer(4×5)、Raise a Native(4×5)のクロスで早熟臭はプンプンする。
ディープインパクトの全弟オンファイアは、初戦がスローペースにはまり坂上から伸びたものの3着。2戦目はさすがにあっさりだった。ただ2こ上のお兄さん(ブラックタイド)の新馬戦(76)に比べても数字はそれほど伸びてこなかったし、良くてクラシックの脇役レベルかも。
関西の今一番の注目馬は、『ネオユニヴァースの再来』と噂されるマルカシェンクだろう。新馬がスローペースを折り合って持ったままの3馬身勝ち、2戦目でGII勝ちだから字面の実績上は文句なしだが、ただこれも数字を見る限りあの2冠馬の域に届くのは厳しいか。福永がネオユニヴァースの名前を出してきているが、2003年のクラシックでネオユニを選べず、結局お手馬のエイシンチャンプで1勝もできなかった福永の幻影追いが、甘い評価につながっている感も。
マルカシェンクが厩舎・騎手関係の因縁でバブル的に人気をかぶるなようなら、去年(ストーミーカフェ75)を上回る指数で札幌2才Sを勝った、エンドスイープ×サンデーサイレンスラインクラフト配合のアドマイヤムーンや、初戦でマルカシェンクに差しきられた後の3戦目萩Sで今期2才馬最高の84を記録したクロフネ×フサイチエアデール(ライラプスの3/4弟)のフサイチリシャールのほうが馬券的においしい目を見られるかもしれない。フサイチリシャールは3戦とも逃げて脚質的に制限がありそうだから、当然福永はマルカシェンクを選ぶんだろうけど、また選択が裏目らないとも限らないなぁ。