ブラウン・ツインズ

うちの会社にNBAのジュワン・ハワード(http://www.nba.com/playerfile/juwan_howard/index.html)似の先輩がいるのだが、昨日はそのハワードさんとの間にヤバイことがあった。
朝のミーティングでハワードさんの隣に着席したんだけど、ハワードさんが着ている茶色のシャツがどうも見覚えがあるような気がして、これはもしや!、と思って、その時まだ寒いので着ていたジャケットの中を覗いてみたら、全く同じだった。完璧に。マジで…。1時間を超すミーティング中に体が温まってどんどん暑くなってきたのだけど、ここでお披露目してしまうと議題が変わってしまいそうなので、その場で脱ぐ勇気は到底なし。しかしこの場を切り抜けたところで、ハワードさんとオレ、今、席が隣同士なんだよ…。
ミーティングが終わって、いったん外で休憩して気持ちを落ちつけてから自席に戻ってみると、そこには、柄から色までオレと全く同じシャツを着た男がいた。背格好も似てるから、サイズも多分同じだろう。普通ならここで「かぶっちゃいましたね〜」とか言いながら握手でもしてみせるのが社交というものかもしれないが、大して親しくないし会話の展開も読めないので、ここは黙ってあと8時間、気づかぬふりでやり過ごすことにした。ブラウン・ツインズとして。
もしかしてこのシャツもう会社に着ていけないのだろうか。つい先日横浜で安売りで買ったばかりなのに(ハワードさんも安売りで買ったのだろうか?)。それとも、ないとは思うがハワードさんは去年から持っていて、オレが憧れて真似したとでも思ってるのかな。だとしたらハワードさんが怖くなってこのネタを口にできなかったのもうまく説明がつくしな。なんてね、バカバカしい。しかし、明日から本当にどうしよう。明日からこのシャツをお互いに全く着ていかなくなったら、二人ともやっぱり気づかぬふりをしていたんだということになって気まずいし、シャツ的にも勿体ない。かといってハワードさんの良識(ブラウンシャツの封印)を期待するほどにはあの人のこと知らないし、この場合「オレは奇数日、ハワードさんは偶数日にしましょう」などと協定を結ぶ(Corperation)ことなどもってのほか…。これぞまさに囚人のジレンマではないか。こうなると自然、最大のリスク(ブラウン・ツインズ)を避けるほうに動いてしまうなあ。いやいや、いっそ根性出して、明日も大胆不敵に同じシャツを着ていこうか?
そんな葛藤を経て目覚めた今朝、結局別の赤いシャツを着て出勤したら、これまた別のオレンジのシャツを着て座っているハワードさんがいた。ほっ。おはようございまーす。お互いに何もなかったかのように、肩を並べて仕事をした。