妻と息子は昨日から和歌山の実家に帰っている。実家には隣の市から妹さんと甥もやって来て泊ってくれたようで、今日の夜の妻からの電話で皆さんの様子を聞かせてもらった。
「オレがプラレール作ったらなあかんな」と、小2の甥は張りきって駆け参じてくれたらしいが、いざ凝った具合に線路を敷き始めると、息子が置いた端から電車を走らせようとするので、あっと言う間に両者キーーーー!!となってしまうらしくなかなか難しそう。甥にしてみたら、せっかくやってあげてんのに全然出来ひんわ、ということだし、息子にしたらお兄ちゃん御自慢のプラレールで早く遊びたい一心だろうからすれ違ってしまうのも想像に難くない。今朝もそんな調子だったから、甥はさすがにお兄ちゃん、一歩引いてテレビをつけ将棋の番組を見始めたらしい。マイ将棋盤を引っぱり出してきて、画面の中の駒の動きを正確に再現しながら熱心に勝負の行方を見守っている。自分でも色々と手を考えながら観戦するのが楽しいのだろう、「オレ、月曜から金曜は仕事で、土日はやっぱ将棋やな」と将来の遠大な計画まで語ってみせるが、待ち時間が長くなると、真後ろで息子が遊ぶ電車のガチャガチャ音、ジーーーー音が気になってチラチラチラチラ振り向いている。対戦は、甥が「ハブちゃーん♪」と応援していた羽生善治の負け。
昼からはお母さんと妹さんが出掛けたので、妻が二人を連れて公園に行ったそう。「よし、公園の端までみんなでかけっこしようか」と妻が提案すると、最近学校の持久走で学年一番になった甥が速いところを見せようと、一人だけクラウチング・スタートでお尻プリーン。「○君さすが!速ーい」と妻が声援を送ると、もう全力で走る走る。走り終わったら「オレ速いやろ」オーラでまたこっちをチラチラ。息子もお兄ちゃんに追い付こうとキャッキャと追いかけまわし、年上の子とのいつにない体験をとても楽しんでいたみたい。というよりヤンチャなお兄ちゃんからのシゲキックスがありまくりで、夜は久しぶりの夜泣き屋本舗だったそうだ。ついに撃沈して、妻が電話で話している間も、明日の僕の持ち物の話で発した「チャギントン」という言葉に反応してモゾモゾ。電話はそこで終了。
とまあこんな話を一時間余り、たった二日間ですっかり和歌山弁に戻った妻から聞いていると、遠距離恋愛だった頃テレホーダイの時間に毎日こうやってお互いの近況を話していたことを思い出してしまった。人への根本的な好意と、悪魔的な客観視が絶妙に混ざったトークにどれだけ助けられたか分からない。
さあ僕も明日から乗り込む。新幹線でのお伴の本も届いた。みんなに会うのが今から楽しみだ。