星空ふぉ〜♪

desideriusm2005-11-04

念願の週末の快晴。奥さんのお母さんと妹さんが第九に出演した時に買った800円のオペラグラスと、天文ガイドから切り取った星図をもって宮ヶ瀬へ。
方向が分からないのでなかなか真っ暗闇のスポットが見つからず、駐車場のそばに寝そべって空を見上げる。高校の時長野だがどっかだかの山に登ってみた星空や、潮岬の近くで紀伊の山々の上に見えたギラギラの刺すような星空には到底及ばず。肉眼で4等星、オペラグラスでやっと6等といったところ。駐車場の灯りも煌々としていたから、もっとましな場所が見つかれば5等くらいまでいけるかもしれない。
まだ秋の空で、オリオンは低く、カシオペアが天頂近くを航行している。オリオンの北、アルデバランと最接近中の軍神・火星の間に、肉眼でもそれとわかる特異な星屑が。昴。オペラグラスを向けると5,6の散開した青い星星に分解して見える。太陽系に近い(400光年)代表的な誕生直後の星の集団。オリオン大星雲はこの安物オペラグラスではほとんど一点の星のようにしか見えない。
懐かしの星・天体に挨拶を済ませてから、灯りの下と暗がりを行ったりきたりして今日のお目当てを探す。カシオペアに南東から対峙しているのがアンドロメダ座の2つの2等星、その下に秋の空のランドマーク、ペガススの第四辺形が見えるのだが、アンドロメダ座の南の2等星からカシオペアの方にゆっくりと視線を戻してみると…。むむっ、1つ目、2つ目の星が微かに広がりをもってぼんやりしているような…。「なぁなぁ、あの2つ目の星、なんかぼんやりしてへん?」「してるしてる、普通の星とはちがうなあ」。おお、やった!ならばあれがアンドロメダ大星雲、地球から肉眼で見えるおそらく最遠の天体だ。地球から210万光年先にある、銀河系と同じ規模の1000億の星の集まりでその本当の姿はこうなっている(http://www.naoj.org/Pressrelease/2001/09/M31_m.jpg)。今日の条件では耳糞のようにしか見えなかったけど、人間がアフリカ大陸で石を手にもって歩き始めた頃の光が、憧れの天体の居場所をはっきり教えてくれていた。
宇宙が我々に見せる相貌は静かで厳か。その存在はあまりにも遠く(手を伸ばしても全然近づかないんだから)、僕たちの希求心は決して満たされない。
それにしても、昔とどれだけ違った心持で星々と対面したことか。帰って飲んだコーヒーがどれだけおいしかったことか。