先週の土曜日、家に帰ると書斎の机の上に、妻が手助けしながら息子と書いた父の日の手紙とプレゼントが置かれていた。父の日?そう、これは紛れもなく僕のためのメッセージなのだ。心の震えを抑えつけながら、今週も手を抜くことなく仕事を頑張ったけど(母さんも家事に子育てに、そしてママ友のサポートに本当によく頑張ってくれていた)、僕が父として強く覚悟を決めているのはそういうところではないんだ。難しい児童心理学の本を読んでも、結局書かれていることは、困難に直面した時、それを言葉で表現することができなかったり、できたとしても自尊心から口にすることを憚ったりしている子どものシグナルに気づいて、悩みや葛藤を真っ芯で受け止めて、「コハガラナクテモイゝトイヒ」抱きしめてあげろということだけらしいのだ。その時になったら父さんも母さんも、たとえ火の中水の中、どんなプライドもかなぐり捨てて、地球の裏側へ這って行ってでもお前に手を差し伸べるから、お前は大船に乗った気持ちでゆったりと、お前なりのやり方で周りを見渡して世界と関わっていけばいい。その関わり方が、ささやかでもこの世へ生まれた喜びを奏でてくれれば、名付け親としての冥利にも尽きるのだろうけど、そういう親心も顧慮しないで、自由に自分の歌いたいように歌を歌っていってくれればいい。二才までの愛くるしさでもう一生分の親孝行は受けている。あとは僕たちが親としての覚悟を決めるのみだ。