おばあちゃんから宅急便が届いた。段ボールいっぱいの野菜、いつも書いてくださる息子への手紙。
甥がチェスの遠征に出ているこの数日、妻の妹がおばあちゃんの家に泊まりに行ってくれたらしい。
成長した甥の姿。まだサナギの息子の将来。今までそんなこと思ったこともなかったけれど、生まれて初めてもっと長生きしたいと思う。そういって泣かれたのだと妻から聞いた。
「手紙はポイって放っぽってあるけどね…。でもそれでいいんだよね。あなたの友達が言った、量子場に刻むって、きっとそういうことなんだ」