いつも妻の子育てには感心するばかりなのだが、最近唯一感心しないところがあって、それは息子が何か言い間違いをしたときに、それを訂正してあげないことなのだ。例えば、息子が着ているTシャツは叔父がタイからのお土産として買ってきてくれたもので、表面には黄色と茶色のゾウの絵柄が交互に沢山プリントされているのだが、息子に「○君、これなーに?」と聞くと、黄色のゾウを指さしている時には「ゾータン」と答えるのに、茶色のゾウを指している時は「うんちー」と答える。おそらく彼の頭の中では茶色のゾウが、甥から貰ったしまじろうのDVDで便器を流れていく茶色い塊とかぶってしまっているのだろうけど、この気の毒な間違いを妻は面白がって直してあげようとしない。そればかりか、その答え聞きたさに何度も質問しては満足げにほくそ笑んでいる始末なのだ。もう一つ、青、赤、黄色などの色が分かり始めている息子だが、白だけはご飯と同じ色という認識でいるらしく、「ごはん」という言葉として覚えてしまっている。これも直してあげないので、散歩中に道ですれ違う色々な車を見ては、「きいろ〜!」、「あか〜!」、「ごは〜ん!」と自分の間違いにも気付かずに得意げに叫んでいて、妻はそのたびに「そうそう、ごはんな」などと肯定しながら、いたずらっぽく笑ってなんだかすごく楽しそうだ。僕が注意しても「いいよ、いつか気付くよ」と全く意に介さず目を細めている。こうなったら僕が教えてあげるしかないのだろうが…。