息子が昨日から腰痛、膝痛。今朝から熱が出て何度も嘔吐。夏風邪みたい。
吐き気が辛いようで和室に閉じこもり、妻は隣に寄り添って体をさすっている。いつもテーブルの下で寝ているジローは朝からの異変に反応して、入ってはいけない和室のすぐ外に寝そべってずっと様子を伺っている。頭は矢印のように息子の方を向いている。
犬に「心配する」という概念があるのかわからないから「反応して」と書いたけど、言い方が冷たすぎるかもしれない。野次馬のように騒ぐわけでなく、人から何かの反応を引き出すためでもなく、静かにその場に注がれている目の表情からは「大丈夫?」「ボクはここに居ますよ」という素朴な言葉が浮かんでくる。
吐くためにダイニングのテーブルに移動した。ジローも即座に追跡して、洗面器を抱えて呻いている息子の足元に横たわった。背中の毛が温度を伝える近さで足に当たっている。「そばにいるよ」と。