眠れない夜の葛藤の中で見つけたヒント。自分がどれだけ多くのことを恐れて生きているか。それが数において、他の人たちの悩みの多さに匹敵しているか。自分の様々な苦しみは人生を真っ当に生きるための良いバランサーなのではないかということ。苦しみを受け入れる試みにおいて、呼吸に集中することが入口にある、ということ。
大阪で朝を迎えた。最上階のレストランは感染対策でバイキングが中止になっていてちょっとガッカリ。大阪らしいホテルマンの窓外の解説に膝を打ち、天王山は秀吉が陣を構えた山、と教えてくれる。
10時30分にチェックアウト。売店ではGOTO地域振興券を使い、絵葉書とペン、拡大鏡(光学実験にでも使うのか?)を買う。
前日、明日の観光どうしようかとなって和歌山のおばあちゃんの案を出したのは息子の方だった。乗換案内を調べるとどうしても無理があり、絵葉書に二人でメッセージを書いてホテルのそばのポストに入れておくことにする。
タクシーで向かった歴史博物館でデート。難波宮から出土した精巧なデザインの瓦や埴輪に「これ本当に7世紀?」などと驚いているけど、これが「『歴史好きの息子にために親が出した提案』に乗ったふりをして付き合ってくれている」図なのだということは分かっているから、宮廷の女官に「Fergusonの肘!」だの「バックハンドブロー!」だのやってバカな親ははしゃいでいた。人の見ていないところでね。ここの売店では余った振興券で従弟用に真田幸村のフィギュア、自分用には直江兼続を選んで、「スガ様!」と笑っていた。
帰りの新幹線、京都に差しかかる辺りで、マップを見ながら「ほらほら」。見ると現在地を示す円の中心に「山崎」とある。
駅に着くと妻とジローが迎えに来てくれていた。