Wikipediaサンデーサイレンスの項目を見ていたら、そこに載っていたコンパラブルインデックスという指標に興味がわいたので少し調べてみる。
まず用語を簡単に定義してから、結果を。
アーニングインデックス(EI, AEI)は、当該種牡馬産駒の平均獲得賞金の、全出走馬の平均獲得賞金に対する割合とする。
コンパラブルインデックス(CI, CPI)は、当該種牡馬との間に産駒をもつ繁殖牝馬の、当該種牡馬以外との産駒の平均獲得賞金の、全出走馬の平均獲得賞金に対する割合とする。
獲得賞金は全てJRAでのもので、本賞金と付加賞金を含む。
集計期間は、1992年1月1日から2012年10月21日まで。出走頭数200頭以上の種牡馬について、EI/CIの降順で並べた。

種牡馬 出走頭数 EI CI EI/CI
サンデーサイレンス 1347 4.00 1.68 2.38
トウシヨウボーイ 219 1.38 0.91 1.52
ブライアンズタイム 1159 1.95 1.37 1.42
サクラユタカオー 367 1.73 1.24 1.40
ステイゴールド 482 1.33 0.97 1.38
フオテイテン 203 1.02 0.75 1.36
ノーザンテースト 425 1.96 1.47 1.34
オペラハウス 546 1.29 0.97 1.33
ラツキーソブリン 201 1.08 0.82 1.32
サクラバクシンオー 1075 1.34 1.02 1.32
スターオブコジーン 318 1.10 0.84 1.30
クリスタルグリツターズ 301 1.28 1.00 1.29
パークリージエント 298 0.94 0.74 1.28
ヤマニンスキー 218 1.19 0.95 1.26
ラシアンルーブル 228 1.01 0.82 1.24
ホワイトマズル 485 1.20 0.97 1.24
サツカーボーイ 534 1.11 0.90 1.24
トニービン 776 2.13 1.73 1.23
タマモクロス 566 1.20 0.99 1.22
ウォーニング 207 1.35 1.12 1.21
アンバーシヤダイ 466 1.29 1.08 1.19
ニホンピロウイナー 461 1.23 1.03 1.19
アサティス 404 0.92 0.78 1.17
キンググローリアス 492 0.97 0.85 1.14
チーフベアハート 351 0.94 0.85 1.11
アレミロード 240 1.11 1.00 1.11
アフリート 797 1.33 1.20 1.11
ホリスキー 350 0.96 0.88 1.09
エルコンドルパサー 277 1.76 1.70 1.04
ラストタイクーン 257 1.02 0.99 1.03
マーベラスサンデー 528 0.91 0.88 1.03
リンドシェーバー 454 0.83 0.82 1.01
アスワン 281 0.90 0.89 1.00
キングヘイロー 502 0.86 0.86 1.00
マンハッタンカフェ 676 1.11 1.11 1.00
リアルシヤダイ 616 1.24 1.26 0.99
ブレイヴエストローマン 253 1.23 1.24 0.99
メジロライアン 582 1.03 1.05 0.98
ミルジヨージ 280 1.16 1.19 0.97
モガミ 278 1.10 1.17 0.94
シャンハイ 212 0.84 0.89 0.94
フジキセキ 1299 1.29 1.37 0.94
ロドリゴデトリアーノ 336 0.99 1.06 0.93
フォーティナイナー 454 1.43 1.54 0.93
ゴールドアリュール 390 0.93 1.01 0.92
サクラチトセオー 225 0.67 0.73 0.91
マルゼンスキー 290 1.02 1.12 0.91
トワイニング 284 0.86 0.95 0.90
シンボリルドルフ 419 1.02 1.14 0.89
カコイーシーズ 231 0.78 0.88 0.89
メジロマックイーン 389 0.89 1.01 0.88
リードワンダー 208 0.78 0.89 0.88
スキャン 585 0.84 0.96 0.87
キングカメハメハ 607 1.53 1.76 0.87
アジュディケーティング 510 0.74 0.86 0.86
トウカイテイオー 485 0.84 0.98 0.86
ミホシンザン 213 0.86 1.01 0.85
ダイナガリバー 287 0.82 0.97 0.85
アドマイヤベガ 345 1.23 1.47 0.84
ジェイドロバリー 746 1.14 1.36 0.84
パラダイスクリーク 371 0.81 0.97 0.83
フレンチデピュティ 579 1.26 1.53 0.83
エブロス 301 0.77 0.93 0.83
マヤノトップガン 662 0.78 0.95 0.82
ジョリーズヘイロー 327 0.73 0.92 0.80
スペシャルウィーク 828 1.14 1.43 0.80
ノーリユート 229 0.86 1.09 0.80
マイネルラヴ 402 0.74 0.93 0.80
バンブーアトラス 280 0.89 1.14 0.78
タイキシャトル 710 0.98 1.26 0.78
スウェプトオーヴァーボード 345 0.71 0.92 0.78
グラスワンダー 630 0.82 1.07 0.77
ジャングルポケット 566 1.02 1.33 0.76
ウイニングチケット 201 0.60 0.79 0.76
ヘクタープロテクター 546 0.92 1.21 0.76
クロフネ 726 1.20 1.60 0.75
タヤスツヨシ 390 0.66 0.88 0.75
ワイルドラッシュ 277 0.86 1.14 0.75
スリルシヨー 336 0.92 1.23 0.75
サクラローレル 326 0.72 0.97 0.74
ゼンノロブロイ 283 0.98 1.34 0.73
ボストンハーバー 268 0.67 0.92 0.72
ゴールデンフェザント 260 0.69 0.96 0.72
タニノギムレット 544 0.87 1.21 0.72
ダンスインザダーク 1269 1.09 1.54 0.71
オジジアン 223 0.63 0.90 0.70
ヤマニンゼファー 228 0.68 0.98 0.69
アドマイヤコジーン 222 0.63 0.91 0.69
コマンダーインチーフ 829 0.88 1.28 0.69
バブルガムフェロー 620 0.80 1.17 0.68
ジェニュイン 316 0.62 0.92 0.67
アグネスデジタル 374 0.80 1.23 0.65
フサイチコンコルド 583 0.70 1.08 0.65
ノーアテンシヨン 204 0.75 1.16 0.65
アグネスタキオン 887 1.20 1.88 0.64
ティンバーカントリー 652 0.68 1.11 0.61
デュランダル 224 0.64 1.05 0.60
ミスターシービー 338 0.76 1.27 0.60
ネオユニヴァース 548 0.85 1.46 0.58
ラムタラ 380 0.68 1.23 0.55
ファルブラヴ 218 0.85 1.55 0.55
シンボリクリスエス 713 0.99 1.86 0.53
エリシオ 348 0.75 1.47 0.51
ロージズインメイ 251 0.73 1.47 0.50
ブラックタイアフェアー 208 0.54 1.17 0.46
ディープインパクト 314 1.53 3.49 0.44
カーネギー 290 0.54 1.28 0.43
サクラプレジデント 201 0.38 0.90 0.42
ダイワメジャー 200 0.70 1.70 0.41
スキャターザゴールド 202 0.39 0.99 0.39

種牡馬統計の目的はつまるところ、対象となる種牡馬Aが産駒に伝えうる(インブリードやニックスといった繁殖牝馬との血統的相性を除いた)相加的な能力P(A)を推定することで、そのための有名な指標の一つにEIがあるのだが、よく言われるように、EIには個々の種牡馬が集める繁殖牝馬の質の差が考慮されていないという欠点がある。並のEIの種牡馬が、あの繁殖牝馬の割には健闘していると評価されたり、高EIのリーディングサイヤーが、あれだけ良い牝馬に種付けしていたら当然と陰口を叩かれたりするのはそのためで、その欠点を補完するために考え出されたのがCIだそうだ。CIは、定義からも当該種牡馬が交配された繁殖牝馬の質を示す指標とされ、したがってEI/CIによって、種牡馬繁殖牝馬に上乗せしてどれくらいの能力を付与できたのかが示されるとされる。アイデアとしてはその通りなのだが、それでも単純統計による指標の常でいくつか穴はある。上の表を眺めながら備考的に触れておくと、

年次 EI/CI(キングカメハメハ) EI/CI(ディープインパクト)
2008 0.15
2009 0.27
2010 0.51 0.13
2011 0.71 0.26