品川の飲み屋で、大学時代の友人たちとの同窓会。
楽しかったこの日のことを言うわけでは全くないけど、今年は、自分は覚えているのに共に過ごしたはずの相手は覚えておらず、自分の中に一方的に仕舞われている思い出が山のようにあることを思い知らされた一年でもあった。こういうことが続くと、片思いのような切ない気持ちになるものだ。けれども世の中はこういう思いのinjusticeから悲喜こもごもの彩りを得ているのかも知れず、自分も当然そういう切なさの片棒を担いでいることもあるだろうから、思い出の保管は続けていかなければならない。

それよ、私は私が感じ得なかったことのために、 罰されて、死は来たるものと思うゆえ。
中原中也『羊の歌』