病気と連休で十三日ぶりになった登園を渋っていた息子が、帰ってきてから妻にこんなことを言ったらしい。
「オレ、幼稚園で一生懸命やってるとき、母ちゃんのこと忘れてることがあるんだ。いいよね?」
自分のことを忘れられることで、こんなに幸福に感じられるなんて、妻だってきっと初めてだっただろう。