息子が今年二回目の手足口病に罹ってしまった。昨夜から寝苦しそうに足を引っ掻きはじめ、今朝、妻が連れて行った小児科で診断された。これで、今年彼が頑張って目指していた幼稚園の精勤賞の夢は潰えた。「オレ、最後まで頑張るから、休みが十日以内だったら、母ちゃん、賞状作ってね」
彼は午前中からテレビの前に布団を敷いて機関車トーマスの映画を見ていた。僕がテーブルで昼飯を食べていると、「大丈夫、絶対に大丈夫」というパーシーの声が聞こえてくる。妙に聞き覚えのある台詞だな、と思って記憶を探っていたら、三年前の一コマを思い出した。息子がミルクを床にぶちまけ、妻が雑巾でそれを拭いている。プリプリしている妻の背中に息子が神父の説教のように唱える。「大丈夫、絶対に大丈夫」。