妻のお母さんが京都木津川マラソンに挑んだ。前回、淀川マラソンへの初挑戦を完走で終えたとき、周囲の賞賛の声をよそに一人タイムを悔しがっていたお母さん。今回は持病の症状も顔を出さず、練習も快調で「私、どんなタイムで走ってしまうんやろうか?」と武者震いしながらのエントリーであったが、余りの体調の良さから、練習に新たに取り入れたストレッチをやりすぎて、一週間前に足を痛めてしまった。「しゃあないわな、アハハハ」。妻には電話でそんな高笑いを聞かせていたそうだが、妻によるとお母さんの高笑いは心の黄色信号で動揺や落胆の証(本当に傷ついてるから心配かけまいと思うらしい)。当日は妻の妹さんと甥に見守られながら、一縷の望みを託して傷ついた足でスタートラインに立ったものの21kmの中間地点で無念のリタイアとなった。
それでも七十才という年齢、初めて二年という練習期間を考えると本当にスゴい。数日前に、二つも三つも仕事をかけ持ちしながら子どもを育てている若い女性たちについての番組が話題になったとき、妻が「でもお母さんもその位働いてたと思う。あの人本当に座る暇なかったから」と話していた。今でも病院の調理場での仕事は続けておられるが、それでも半日の仕事を週三、四回。子どもっぽさの出る年齢になり、昔の勇ましい頃には決して口にしなかった弱音や迷いなども娘たちに口にするようになった。気ままな感情の波が身近にいる妹さんを襲うこともある。
生老病死のすべてにまっすぐ取り組み、全身で生き様を表現される方である。