四度目のクリスマス。街が日に日に華やいでいく中、一年前は「ドーダイトリー」だったものが「クリスマスツリー」になり、加えて今年は「電気の飾り」や「クリスマスリース」も楽しめるようになった。イブの夜は、賑わう街の中心を離れ、坂を上って教会の灯りを見に歩いた。丘の上の教会はいつもの純白の十字架に加えて、妻板の底辺に数え切れない電球があしらわれ、閉めきった家々の上に厳かな静寂を投げている。大人が悴む手を摩りながら家で待っているチキンや洋酒を夢想している間、息子は寒さも忘れたように、電球の不規則な明滅や、妻板を一様に照らす電灯の光線に見入っていた。そうだ。若気を解いて浮かれ騒ぐのもいいけれど、この季節は赦しの季節。人を許し、自分が許されていることに感謝する。そうやって街頭に飾られた各自の平穏のしるしを心静かに受け入れる日ではなかったか。この日を迎えた彼の慎ましい言祝ぎに、彼なりの敬虔さを感じていた。