農業をやってる友人が最近送ってきてくれたトマト、これまでトマトには興味を示していなかった息子が自らフォークで突き刺して口に運んでいてパクパク食べていて驚いた。やっぱり味の濃さというか充実感がスーパーで売ってるやつとは桁違いだからなぁ。同じ時期にお義母さんが送ってくれた自作のプチトマトとインゲンも、枝付きで届けられてきた見た目そのままの野趣あふれる味ながら、妻がうまく料理してくれた甲斐もあっておいしくいただくことができた。本当にありがたい限りだが、こういうおいしい野菜を食べながら妻と思い出していたのは、今年亡くなったおばあちゃんが生前何度も送ってきてくれた野菜のことだった。白菜、長ネギ、ジャガイモ、サツマイモ、春菊…。今更ながら思い浮かべてみると小ぶりな野菜ではあったけど、どれも形がきれいで味も素人の趣味の範囲を超えた上品で端正なものだった。妻が長ネギと春菊をすき焼きにしてくれて食べたのは確かに覚えているけれど、手をかけて作られた贈り物の価値が分かって来るまでの時間を、人の寿命が待ってくれないというのはなんだか少し切ない気もする。彼女が2006年に送ってきてくれた野菜の写真を眺めていると、生前ほとんど写真に収まることのなかったおばあちゃんの息遣いにふれた気がして、少し暖かい気持ちになった。