先日遊びにきた友人がショパンの『別れの曲』を弾いてくれてそれがなかなかナイスだったので、こちらもしばらく中断していたピアノの練習を再開した。今日はなんとかイギリス組曲3番のGavotte IとGavotte IIが弾けるようになった。僕が弾けるレベルの曲でクラシックCDの演目に上るようなものはあまりないので、グールドの音源をそそくさと引っぱり出してきて参考になどしてみるのも、なかなか気分がいいものだ。しかし、楽譜のどこにも明記されていない独特のリズムから醸し出されるあの奇妙な異国情緒は、こちらが100万回練習しても表現できるものでないことはすぐに思い知らされる。一小節ごとに調(?)を変えながら蛇行しつつ昇りつめていくGavotte Iの最終部は短いパッセージだが聴いているだけで眩暈を感じさせるものだ。いつかまとまった時間が取れるときがきたら、対位法を勉強して、せめて楽譜から読み取れるこの曲の奥義だけでも理解してみたい。