バイクの保険更新と定期点検をしてもらいに昼過ぎに出発。ところが246が大渋滞、というより車列が1cmも進んでおらず、信号が青に切り替わる意味が全くない状態。平日の246ってこんななんだ、と思いながら車と車の間をすり抜けてトンネルに入るとそこが地獄だった。トラックが多いのだがそのエンジンの熱気で摂氏50度はあろうかという灼熱地獄。それに加えて排気ガスの濃度が尋常じゃなくて空気が紫色に濁ってそれが熱さで蜃気楼のように揺らめいている。いつかテレビで見た消防士の火災訓練の様子を思い出させるような状況で、慌ててヘルメットのバイザーを閉めて無酸素運動で一気に出口を目指していると、なんとその状態の中で大型トラックの後ろで停車しながらのんびりと佇んでいるバイク乗りのカップルを発見。一刻も早く逃げ出さないと病気になりそうな空気を吸いながら、まさか新手の自殺ではなかろうし、あの人たちは一体何を考えていたのだろう。命からがらの想いでトンネルを抜けると渋滞の原因が分かった。救急車とパトカーとトラックが止まっていて、トラックの後部に鉄の板を引きちぎったような格好でバイクがめり込んでいた。救急車は人を乗せて出発しようとするところだった。それぞれがバイクに乗った2人組みの男が興奮しながら「ああはなったら怖ぇーよなあ」と野次馬丸出しで騒いでいたけど、自分の問題として考えた場合、出てくる感想は誰もがほとんど同じだろう。先日レンタカーを運転していて感じたようにバイクは車に比べれば遙かに死角が少ないし、ここでこうなったらアウトだという想像に常に駆られながら緊張して走らざるを得ない分、実際に事故に遭遇するリスクは車より大きいとは思えないのだけど、それでも一旦事故にあった時の悲劇性にはアクチュアリー的計測を超えたものがあるのだと、改めて気持ちを引き締めざるを得ない。