晩から夫婦で友達の新居を訪問。引っ越したてということもあろうが、家具・調度のきちんと整った佇まいに感心する。毎日出るゴミや不用品を仕分けながら常に機能的な配置を保つという見方をすれば、家事というものも一大プロジェクトだろう。掃除機は必ず一日に一回はかけると言っていた。少しはお手本にしなければ。
1300枚を超えるというCDとレコードのコレクションを見せてもらう。その中から、是非聴かせたいと言ってピックアップされたのは、『炎のファイター〜INOKI BOM-BA-YE〜』のシングル・レコード。裏面にイノキ・ボンバイエのメロディーに乗せて倍賞美津子が歌う歌謡曲が入っていてとても稀少なものらしい。しばらく古舘談義などで昔を懐かしむ。
結婚式やハワイへの新婚旅行の写真なども見せてもらった。元々お互い突き放したようなところがあって共感を求め合うような仲ではないのだけど、魅力ある奥さんと何より楽しそうに暮らしている姿に少々胸が熱くなった。
しかし遊興の後の毎度の空虚感は何とかならないものだろうか。最近は様々な友達と会ったり話したりすることが多くて、その度に貴重な覚醒とある種のリバウンドを経験する。でもちょっと考えてみれば人と対した前と後で心の安定点がずれること自体は誰もが経験する一般的な反応だろうし、重心の移動で神経系のフレームがたわみ、それが揺り戻される時に起こるこの船酔いのような感覚を引き受けることで、精神的な耐久性も少しずつ養われていくのだろう。何にしてもとてもありがたいことだ。僕自身も友達に勇気を与えることを目指さなければならない。