CDをファイルに落として聴き始めてからレンタル屋でCDを借りることが多くなった。駅の近くのガード下にあるレンタル屋はクラシックは『頭が良くなるモーツァルト』や『別れの曲〜ショパン - 癒しの音楽』のような企画もの、あとは美人演奏家のオムニバスしか置いていないので主にポップス、ジャズの棚から物色する。今日はビートルズの『アビイ・ロード』とマイケルの『バッド』とプリンスの『サイン・オブ・ザ・タイムズ』とジョージ・ウィンストンの『オータム』を選んだ。『アビイ・ロード』は友達がピアノでビートルズを弾くなら"YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY"あたりがいいんじゃないか、と言っていたのを覚えていて、今日会社で収録されているアルバムを調べたのである。『バッド』は奥さんが昔テープに録って愛聴していたらしい。見ると前に教えてもらった"MAN IN THE MIRROR"が入っている。『サイン・オブ・ザ・タイムズ』は今日会社で調べていたら、殿下の最高傑作という評判だった。ジョージ・ウィンストンはジャズ・ピアノをやっていて同級生全員に絶対黒人の血が入っていると思われていた高校の同級生に借りて聴いたことがある。有名なアルバムでジャケットには黄金色に輝くジョージ・ウィンストンの故郷モンタナの広大な綿畑が映っている。高校の時、毎朝学校に行くために制服を着て玄関を飛び出すと、県道の向こう側の野原と雑木林が目に入ってきた。当時冬になると茶色く変色する排ガスに煤けたこの風景がこの写真の綿畑のように見えて仕方なかった。駆け足で後にした寒空からカラフルなピアノの響きが追いかけてくるような気がした。このCDはそんなノスタルジーだけで借りたのである。
オータム~20th Anniversary Edition