一年ほど前、幼稚園の園庭でのこと。
年長だった息子が気分良くブランコを漕いでいた。すると隣に年下の子が勇んで現れて、息子より高くブランコを漕ぎ上げた。
横目に見て自分には到達できない高さと悟った息子、おもむろに
「オレ、止まるの得意だから」と、ザザっと地面を蹴ってブランコを止めた。
見ていた年下の子の、「ほォ〜、さすが年長のアニキ」という憧れの目線の健気さ…

夕方の公園、雑木林に沈む夕日の前景に描かれたブランコの軌跡に、思い出されたそんな情景。あれからもう一年か。ありがたいことに、今年も小さな桜の花が芽吹いてきた。