最後のお見舞いの日。この日は、園バスを降りてすぐに会いに行きたいというから、家に寄らず荷物を抱えたまま電車に乗って病院へ行った。
日がまだ残っているうちに到着して、暗くなる前に病院を出た。近くの公園でブランコの競争をし、ゲーセンでマリオカートをやり、結局すっかり暗くなってから家に帰った。血色の良くなった妻の顔を見てきて、これであと一回寝たら母ちゃんが帰ってくることを肌で感じたんだろう、家ではずっと大声で"Come on baby, do the Loco-motion!"って歌ってた。母ちゃん無しで過ごすという一週間の勤めをしっかり果たした自負が、小さな身体から放射しているようだった。