昼から思い立ってバイクで丹沢へ。高速の秦野中井で降り、北に聳える山々を仰ぎながら秦野市街を抜けるとヤビツ峠入口に達する。標高550mの菜の花台からの太平洋展望もそこそこに今日は走りに専念。猛暑日の昼間の山中、人気のないキャンプ場があり、工事現場があり、登坂に精を出すサイクリストがいて、それを追い越すとそこから無人の走行となった。複雑なカーブに沿って木々の間を抜けて行くと突然、黒々とした木立から冷たいほどの涼風、一瞬遅れて何処からともなく清流のせせらぎ。下手は下手なりにタイヤの横腹を地面に押しつけながら弧の小さい走路を描き、コーナーの出口ではアクセルを捻って後輪を沈めていく。その連続がもたらす中毒性のある感覚の酔い。
夕方の海老名SAでは、夏休みを迎えた家族やカップルがソフトクリーム屋の前で列を作っている。それぞれ誰に会いに行くのだろうか。彼らの部屋着でも外出用でもない軽装が目に眩しい。