梅雨明けが発表された昨日に続いて午前中からぐんぐん気温が上がるが、息子と二人で坂を上って空を見上げると雲の位置が高く、空の色も随分と濃い。どこか違和感があると思って耳を澄ますと、まだセミの鳴き声が聞こえていなかった。道端にチタンの焼け色のような青い尾をもつトカゲが現れ、僕たちに気づくとフェンスの向こうにそそくさと消える。
明日に誕生日を控え、夕方にはうちの両親にも付き合ってもらって、カーズの赤黒の16インチの自転車を買うなど。
今週、幼稚園で七夕のお話を聞いてきた息子が語る。「織姫ちゃんと彦星ちゃん、会えないんだ。お家に行っても会えないんだって」。気持ちの高まりが顔に表れ、口をへの字に結ぶ。胸に去来するのは、母ちゃんと離れて過ごす幼稚園での時間か、未来の愛すべき誰かへの想像的な恋慕か。夜、絶対に見えないだろうけど、天の川見てみようか、と提案した妻と一緒に空を見上げると、ベガの南中前でアルタイルはまだ東だった。夏はまだまだ始まったばかり。