福岡での三泊四日は最高だった。初日の焼鳥屋、客のいないバー。二日目の吉野ヶ里遺跡、旧友との再会。三日目、呼子イカ、ご家族との晩餐、朝四時までの語り明かし。
福岡に行く前の来客との会話でも思ったのだが、ランボー
O saisons, o chateaux,
Quelle ame est sans defauts ?
季節(とき)が流れる、
城寨(おしろ)が見える
無疵な魂(もの)なぞどこにあろう?
ではないが、この年になって生まれたままの純潔を保っている者など一人もいない。「いい人」の人格はひとえに良き意志の力によって支えられていて、その自覚的な発現にこそ人間の尊厳がある。
頑張っている友人たち(一言で頑張っているというが、本当に頑張っているのだ、魂の在り様として)との旧交を振り返ると、共に歩いた己の来し方も捨てたもんじゃないと思える。他者を介した人生の肯定。これ以上の肯定があろうか。