幼稚園に親も参観できる移動動物園がやって来る日で、妻だけが後から行くことになっていたところ、後ろ髪引かれる思い断ち切りがたく、僕も予定をキャンセルして行くことにする。カメラ携えて、妻をバイクの後ろに乗せて到着すると案の定、お父さんで来ている人は一人もいない。今の仕事がいつまでこの形で続くのか分からないけど、謳歌できる内に自由は謳歌しておかないと。
グラウンドに出ていた息子はクラスの輪の端に位置して、僕らに見せたことのないキリッとした顔して、先生のお話を聞き、集団の動向を観察していた。何人かのお母さんが来ているのを見つけて、自分の親のことを探し出すまで真剣な表情が続いたけど、見つけてからはニッコニコの手振りまくりで、動物に触る時の注意点など聞いちゃいない状態になった。園庭に即席で作られた柵の中に、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、アヒル、ヒヨコ、七面鳥フェレット、インコなどがいて、園児たちが家から持ち寄ったお野菜を各自で与えたり、そっと体に触れたりして関係を模索していくという素敵な企画。泣いている子もいれば、追いかけ回すほど積極的な子もいるし、三才児と謂えどももう自我の形成は、クッキーだったら熱を入れるところまでは来ているのかなぁと。息子は、でっかい図体の割に何も口にしようとしない七面鳥や、隅に繋がれてなかなか餌にありつけないヤギさんに何度もアタックというスタイル。締めはおとなしいポニーの背中に乗せてもらって、柵の中を一周してハイポーズ。別れ際に、また少し表情が引き締まったけど、あとは僕の任せろといった風情で何ともたくましかった。
お前とハイタッチをして、母ちゃんと一緒に幼稚園をあとにした父ちゃんの幸せが分かるかな。一人の人間には不相応の分け前である気さえするのだ。
But you've never looked at a woman and been totally vulnerable...known someone that could level you with her eyes. Feeling like God put an angel on Earth just for you..who could rescue you from the depths of Hell. And you wouldn't know what it's like to be her angel. ("Good Will Hunting")