一ヶ月後に迫った人生初のフルマラソンに向けて妻のお母さんの練習熱が上がっている。長距離走の苦手な僕には信じられないのだが、今日はなんと四時間半もの走り込みを行ったようだ。上下を若々しいピンクのウェアで固め、本番のレースをイメージしながら気合い満点で走っていたら、途中で下校中のおちょけた小学生の集団と遭遇、ワァーと追い抜かれて「俺らの方がおばあちゃんより速いで〜」とイジられたそう。どんなに遅いペースでもそれだけ長時間走れるだけで立派だと思うのだけど、お母さんは妻との電話でしきりに憤慨していたらしい。「なんやあの子ら。まだおばちゃんと違うんかい!」「それが現実、それが現実」と健気に諭す妻。