上の番組で、歩道を清掃する岩井さんに歩行者が労いの声をかけるシーンがある。
「通る人とか声掛けてくれて、ごくろうさま、とか何かそういう暖かい声があるからね、ああ、やっぱこういう方がいいな、と。雑誌(をゴミ箱から漁って売っていた)のときはなんかこう白い目で見られていたじゃないですか。これの場合はさ、差し入れとかしてくれる人もいるし。やっぱちゃんとした仕事なんだ、って。やりがいを感じる」
歩道の清掃に限らず、ほとんど全ての仕事は僕らの生活を何らかの形で支えている。しかし、その全てがそれに相応しい尊敬と報酬を得ているわけではない。報酬は市場原理によって導かれた公正な結果だ、という人もいるだろう。でもだからといって僕らが払うべき尊敬も、報酬の量に比例させる必要があるだろうか。むしろ、それを補う形で尊敬の量を調整すること、具体的にはトイレ掃除とかこういう仕事に骨を折っている人に対して声をかけたりすることこそ、真の公正への道なのではないか、などと調子に乗って理屈っぽく妻に話していたら、そんなことならもう10年前からやっている、と。何と!