Portugal-Netherlands

ワールドユースで2度優勝した「黄金の世代」が日韓大会で悲劇的な不作に終わった後もEURO2004準優勝、ドイツ大会予選も無敗で通過と、なぜか弱くなってこないポルトガルルイ・コスタパウロ・ソーザ(古い?)に代わる新しい才能も育ってきているとは聞くけど、今実際にどんなチームになってるんだろう…?。今日、今大会で初めてポルトガルの試合を見て完全に得心がいきました。「ポルトガルは何も変わっていない」。
日韓大会での予選グループ敗退は、弱敵相手の取りこぼしや地元有利の判定に自制心をなくしてチームが感情的に内破したのが原因だった。あの時の反省を生かしてポルトガルも少しは成長したのだろうか、と思って多少期待して見ていたら全然だった。小汚いタックル、肘撃ち、見え見えの痛がり・シミュレーション、つまらない挑発、審判への文句と哀訴。太ももをスパイクで削られたクリスチアーノ・ロナウドはベンチで子供みたいに泣いていた。そう、まさに子供。33才になったチームの重鎮フィーゴでさえその例外ではない。というより、イエローカード16枚、レッド4枚が乱れ飛んだ(W杯新記録らしい)大荒れの展開のきっかけを作ったのは、4年前の反省を一番生かすべきフィーゴその人だった。自分がレフェリーの死角にいることを確認した上で相手に頭突き。せこ過ぎる…。ポルトガルにとって幸運だったのは、相手がファン・バステンの方針で大幅に若返ったオランダだったということだろう。若いオランダはフィーゴの仕掛けた罠にまんまとはまった。そういう老獪さという意味でのみ、ポルトガルの4年間の成長はあったのかもしれない(あれが深謀遠慮の上での挑発だったとしてだが…)。こういうポルトガルの年齢不問の子供っぽさは次の世代にも確実に受け継がれている。例えばポルトガルの新しい顔になりつつあるデコ。彼もまた子供じみた遅延行為で退場処分を受けた。同じく退場になったオランダのファン・ブロンクフォルストとしゃべりながらダグアウトで(校庭に座ったガキの表情で)試合の帰結を見つめていた映像を僕はずっと忘れないだろう。
なんか気性の話ばかりになったけど、サッカーも相変わらず素晴らしかった。大してスピードはないけど妙な間合いのドリブルでいつの間にか相手をかわしていたり、微小なパスを(日本とは違う意味で)嫌になるほど重ねて、気づいたらシューターの前にスイートスポットが出現していたり。あの不思議なスペクタクルと意外性も子供っぽさゆえなのだろうか。次はイングランド戦。あんなタレントばかりの退屈なサッカーには負けてほしくないな。
サッカー少年が悪い意味で大人になった図
http://sports.yahoo.com/sow/photo?slug=xpd11806231712.wcup_world_cup_soccer_portugal_xpd118&prov=AP
悪を降臨させようとするフィーゴ
http://sports.yahoo.com/sow/photo?slug=xpd11606231708.wcup_world_cup_soccer_portugal_xpd116&prov=AP