desideriusm2005-10-08

久しぶりに仕事から解放された週末。今日は初ツーリングに出かけた。向かった先は、大学院の2年間通った淵野辺宇宙科学研究所
当時ずっとバイクで通った通学路も案外記憶はおぼろなもので、さんざん遠回りしてヘロヘロになってようやくたどり着く。とはいっても別に何かやることがあるわけでもなく…。とりあえず門の前でバイクとともにパシャリ。
仕方なく早々に引き上げようとした時、研究所の向かいの通りに博物館らしきものを見つけた。そういえば、と思って、ふっと引き寄せられた。イヤイヤ通っていたあの頃、研究所の門をくぐる度にこの博物館を横目に眺めて、いつも逃げ込みたい気持ちを必死に抑えていたような…。そこに張り出されていたプラネタリウムの案内を見て、自分があこがれた宇宙は、研究室よりも、むしろここにあるのではないかとすら空想しながら…
ライブラリーのコーナーに、小学校の頃隅から隅まで読み尽くした古い宇宙の図鑑が置いてあった。宇宙には太陽の800倍もの大きさの恒星があって、銀河系にはそんな星も含めて1000億もの星が犇いている。そして宇宙全体では、それよりも遥かに多くの銀河が130億光年の時空一杯に拡がっている。今こうしている時にも、宇宙のどこかでは星が莫大なエネルギーを解放して一生を終え、銀河と銀河が数億年の時を経て衝突し散開する。人間は(僕自身も)、この事実を全く無視しながら生きてこなかったか
帰り道、相模川沿いを下りながら見た景色が、いつもと少し違って見えた。丹沢に沈む夕日、その上空に何十にも層をなして真昼のように輝く雲。
いつか天体写真を撮りたいと思った。科学を学ぶたびに遠ざかっていった宇宙と、もう一度近づいてみたい。望遠鏡をワゴン車に乗せて、長野あたりの透明な秋の夜空の下