春になると

春になって芽を出すのは、別に草木とか桜とかのめでたいものばかりじゃない。春には毛虫とか地虫とか、ありがたくないものまで一斉に目を覚ます。精神の中の妙な動物が目を覚まして記憶の奥底から這い出してくるのも、だいたい、自然が冬眠から醒めるこの頃だ。
こういう時は、下手に自己統制しようとして、自分(の中の動物)と真正面から向き合ったりしないほうがいい。適当に統制の手綱を緩めてやって、それが目覚めたことに気づいてるような気づいてないようなふりをしながら、視線は別のところを向けているのがいい。集中できることがあるなら、多少せわしくても、それに集中しておくのが良い。幸い、今週から競馬はクラシック戦線。連勝も先週で途切れたことだし、気を引き締めて予想することにしよう。