御蔵島

御蔵島は東京から約230km、三宅島から十数km南の太平洋に位置する孤島です。島は黒潮の強い流れの中にあり、荒く削られた岩肌は海抜480m、日本一の断崖を有しています。黒潮が運ぶカンパチ、カツオ、トビウオ等の海の恵みは、バンドウイルカオオミズナギドリの群れを誘い、彼らの有数の生息地になっています。
しかし、それにしても。島の気候は、切り立った形状から一年中雨が多く、耕地もやせて作物もあまり育ちません。平野は少なく、300人の住民たちは本州の見える北側の山肌にこびり付くように暮らしています。桟橋の完成も、昭和の後半になるまで待たなければならず、それまでは荒波のため3ヶ月も船の往来が途絶えてしまうことがあったそうです。一年中、ただ孤独に波に洗われ続けている御蔵島
その変わらない波の様子を、ずっと書きとめている人(たち)がいます。永遠の反復とも思える青い波の運動を、写真に収め、桟橋の周りの風景や、空や風の中での表情の微細な変化を追い続ける。その日誌を見ていると、いかに「退屈」のイメージに近い場所でも、慎ましい注意を向ける者には、自然からの応答があるのではないかと信じさせてしまうものがある。とても素晴らしいページだと思います。
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