朝方から細かい雨が降り出し、昼過ぎには土砂降りになる。夕方友達の家に行くために、しまってあった上着を一年ぶりに引っ張り出してくると、息子が「オォォ、父ちゃんなんでその服着てんの?それ○○が来たときに着てた服なんじゃないの?」と。マジかと思ってPCの中にあるその時の写真を確認してみると、御意。同時に一年前の楽しかった記憶も思い出したのだろうか、○○に会いに行くのだと言うと、○君も行きたくなっちゃったんだよ、と言って泣きだしてしまう。電車の時間が迫っていた僕はそのまま家を出たのだが、あとを任された妻は顔面をはたかれながらも気合いで説明し、明日父ちゃんに○○の家のことを一杯教えて貰おうということで納得させたようだ。途中「父ちゃんへ。○○のお家におもちゃがあったか、どんなお家だったか教えてね」とメールが来たので、新居の通風口(最近ご執心の家の構造物)の写メを撮らせてもらった。
肝心の○○家は、奥さんのもてなしもあり、はっきり言って超楽こかった(昭和五十年代神奈川県民風に)。秋が深まり、一年前の苦境の感触がすっと背筋を走るが、その時に支えてくれた一人一人の顔もはっきりと思い出す。