なぜ0を掛けると0になるのか?

0の定義は、加法の単位元であること、つまりa+0=aとなる元ということである。この定義からa*0=0を導いてみる。
(証明)
Rを環、a∈R、写像fをf:R→R、x→a*xとすると、f(b+c)=a*(b+c)=a*b+a*c=f(b)+f(c)よりfは加法の準同型写像。f(0)=f(0+0)=f(0)+f(0)よりf(0)=0。つまり準同型写像によって加法の単位元は加法の単位元に移動する。よってa*0=f(0)=0。
同じことだが言葉使いを変えると
(別証)
a*0=a*(0+0)=a*0+a*0 (分配法則)。両辺に-a*0を足して0=a*0。