今日は僕がおばあちゃんに電話をした。本当は情のある人なのに(その心根に気づかせてくれたのは赤の他人であるはずの妻だったのだが)、それに何重にも輪をかけて不器用な大正生まれ。その血を色濃く受け継ぐ僕との間で激しいやり取りになってしまったのだけど、電話を切ってから妻に状況を説明して、おばあちゃんが抱いているであろう気持ちに対する彼女の考え方を聞いたら、もう一度電話をかけ直す気になって、結局しっかりと仲直りすることができた。相手が理不尽に怒っているように見えるときは、大抵自分が気付かぬうちに相手の抱いている強い想いをふいにしてしまったりしているもので、今日の僕がまさにそうだったのだが、自分も熱くなってしまっている状況下で冷静にそのことに思い当るのはなかなか難しく、今日のように妻に客観的に指摘してもらえるのは本当にありがたい。最終的には当事者が皆相手の想いに気づくことができて、我ながら今日の一件は一族としてのちょっとしたファインプレーだった。