今日はこの場を借りて身内自慢をしたいと思います。
うちの奥さんは、某社のパソコンのサポートセンターで働いています。そこで最近、マネージャー連中が臨時で、電話をかけてきたばかりの客にコールバックして、さきほどのサポート員の対応が満足だったかどうか、説明は丁寧で分かりやすかったかどうかをアンケートで答えてもらう調査を実施したらしく、その結果うちの奥さんの応対が、フロア全体で100人以上にのぼるサポート員の中で一番模範的との評価を受けたらしいのです。
もしこれが、彼女がフロア1位の件数を稼いで表彰されたとかいうのだったら、それは別段凄いこととも思えません。なぜなら、会社はサポート員に、対応の質などは二の次にして、まずもって多くの件数を取ることをノルマとして命じているからです。
今の世の中、パソコンはおじいちゃんおばあちゃんにまで普及していて、コピーとかペーストとかの概念もわからないまま触っている人も多いのです。そして、本当に困った状況から電話を掛けてくる客は、そういうIT的にほぼ文盲に近い人たちなのです。サポート員としては、ノルマの手前、この手の客は絶好のカモになります。こっちの指示した操作もおぼつかないような客に、いちいち親切に対応していたら、時間を食うだけでロクなことはありません。そういう時は、相手のわからないことを言って煙に巻き、適当に他社に振ってサクサクと電話を切ってしまうに限るのです。
件数のノルマと、客への対応の質は完全にトレードオフです。そしてメーカーに数字として残る形で成果を報告しなければいけないサポート会社は、あくまでも、件数を稼げ、と指示しているのです。彼女も今回の評価で、何か待遇的な恩恵を受けるということは無いでしょう。全ての社員の待遇は、あくまでサポート員としてのノルマに従って決められるからです。
僕はこのことがとても凄くて、素晴らしいことだと思う。彼女だって会社のノルマを無視しているわけではありません。普段から「件数が足りない、件数が足りない」とヒーヒー言いながら仕事をしています。件数の面から見たら、彼女はサポート員としては劣等生なのかもしれません。でもそんなこととは関係なく、彼女が会社の方針よりも大切に感じているものがあるのだとしたら、それを今後も大事にしていってほしいと思うのです。
最後まで読んでくれてありがとうございました <(_ _)>